30代の医学部学士編入 独学ハック術    〜勉強法とゴロ語呂合わせのブログ〜 

医学部学士編入を半年・独学・働きながら合格(ハック)した術を綴ります

「亢進」とは? ~生命科学独特?の言い回し~

生命科学初学者(学士編入試験合格の半年のみ学習)の筆者が、初学者ならではの感覚で、生命科学にできてきた独特で分かりにくかった言い回しを紹介します。

 

今回は「亢進」です。

 

この言葉ご存じでしょうか?

私が言葉を知らないだけかもしれませんが、私は昨年生命科学の勉強をしていて初めて出会った単語です。

 

初めて見たときの印象は、亢が抗(あらがう)に似ているので、抗うのか進むのかどっちだよ!と思いました。もしくは、「進退」のように、抗うことと進むことを含んだ熟語なのかも!とも思いました。

 

調べてみると予想と全然異なり、気持ちや病勢などが、高ぶり進むこと。」(by goo辞書)でした。

※漢字の成り立ちは、以下の通りのようです(chatGPT先生の見解です)。→「亢」は、人が力を振り絞って高く上がり、立ち上がるさまを表現した象形文字で、「高い」という意味を持ちます。「手」は、手の形を象っており、「手」の意味を持ちます「抗」は、「高く立ち上がって手を挙げる」という意味があり、「抵抗する」という意味を持ちます。

 

つまり、亢はどちらかというと進に近いイメージの意味を持っているわけですね。

 

例文を見てみます。

(ex1)絶食時には、膵α細胞からグルカゴンの分泌が上昇し、肝臓における糖新生亢進により血糖値が維持される。

(ex2)体液のpHが低下すると、腎における炭酸水素イオンの再吸収とプロトン分泌が亢進する。

 

私が上記のような亢進が使われている文章も見ていると、促進と似てるじゃん!とよく思っていました。

 

ここでも、今、流行りでなにかと話題のチャットGPTに、亢進と促進の違いを聞いてみました。

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「亢進」と「促進」は、日本語で似た意味を持つ言葉ですが、微妙に異なるニュアンスがあります。

「亢進」とは、興奮や緊張が過度に高まることを指します。具体的には、ストレスや不安、興奮によって体調が崩れることや、感情的に制御を失って行動することを表します。

一方、「促進」とは、進行や発展を促すことを指します。具体的には、プロジェクトや計画などが順調に進展することを表したり、物事を推進するための手段を取ることを意味します。

したがって、「亢進」と「促進」は、まったく異なる意味を持つ言葉であることがわかります。

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文章中の使われ方とチャットGPTの説明から推定した私の意見としては、

亢進する→イメージとしては「(自発的に・勝手に)高まる」。物質が主語で、擬人法的に使われることが多い。

促進する→イメージとしては「何らかの目的や狙いのために促し進める」。人が主語で使われることが多い。物質なら、促進されるという風に受動態で使われることが多い。

 

結論としては、ニュアンスの違いにより、亢進と促進を使い分けたほうがいいと思いますが、例文中の「プロトン分泌が亢進する」→「プロトン分泌が促進される」と書いたところで、減点はされないと、個人的には思っています。

 

話を最初に戻すと、亢進するとは、高まること、と理解しておけば、生命科学の文章を読み進める上では、たいてい大きな齟齬なく理解できると思います。