『昇華性物質を選択肢から選べ』みたいな問題は、学士編入試験問題でもよく見かけました。たぶん大学受験の化学の問題にもよく出ると思います。
昇華性物質の例としては、、、
ヨウ素、CO2、ナフタレン、無水フタル酸
などがあり、
語呂合わせとして
消化するんだ!洋梨(ようなし)を!
を使って覚えました。
よう→ヨウ素
な→ナフタレン
し→CO2(シーオーツーのしです)
※ちなみに、無水フタル酸は、ナフタレンと構造が近いことから連想できます。
※CO2の固体はドライアイスですね。
ここでただ単純暗記するのでなく、なぜこれらの物質が昇華性物質になり、他のほとんどの物質が昇華性物質にならないか、についても理解しておくと、幅が広がると思います。
語呂合わせで覚えた物質以外について、昇華性物質かそうでないかは推定できるようになると思います。
さて、昇華性物質のざっくりした特徴は、、、
低分子で揮発しやすいが、近くに集まると強く引きつけ合い固体になる
と言えるでしょう。
例えば、ナフタレンは、それなりに低分子ですが、芳香環が向かいあって並んだ時に生じるπ-πスタッキングにより、近づいた際は互いに強く引き合います。
だから、昇華性物質にのるんですね。
ヨウ素やCO2も低分子でありながら、パッキング性が高く(つまり空間に密に配置できる)、それ故に昇華性を持つわけです。これらを互いに引きつける力はファンデルワールス力であり、分子結晶と呼ばれます。
工業的には、昇華性物質取り扱い時は、注意が必要なようです。
他の液体の中に、昇華性物質を固体として仕込んで、均一になるようにかき混ぜるとします。温度を上げると、昇華して気体になり、反応槽の上部に上がっていきます。上部などは、熱がかかりにくく冷えてることが多く、ここで固体に戻ります。
非昇華性物質であれば、液体になるだけなので、いずれ垂れたり、滴り落ちたりして、混合してるところに戻ります。しかしながら、昇華性物質は固体になるので、反応槽上部に固体として析出して、混合してるところに戻りにくいです。
なので、昇華性物質を扱う際は、昇華させないような温度・圧力を選ぶなどケアする必要があります。。。
昇華というキーワード1つとっても、中々奥が深いですね。。。( ͡° ͜ʖ ͡°)
是非内容を"しょうか"してください!(^◇^;)