30代の医学部学士編入 独学ハック術    〜勉強法とゴロ語呂合わせのブログ〜 

医学部学士編入を半年・独学・働きながら合格(ハック)した術を綴ります

どこから来たのか ミトコンドリア♪ 〜母系遺伝のメカニズム〜

どこから来たのか ミトコンドリア

 

これはRIP SLYMEの曲『雑念エンターテイメント』の終盤に出てくる歌詞です。SU氏の低音ボイスで生命科学用語が唐突に出てくるので、印象に残ってた歌詞です。。。

 

歌詞そのまんまになりますが、このミトコンドリア、いったいどこから来たのでしょうか?

 

まず、ミトコンドリアは、細胞小器官の1つで、エネルギー産生を担ってます。ミトコンドリアは、太古の昔、他の細菌が細胞内に共生してできたと考えられており、核DNA(細胞本体のDNA)とは、別のDNAを持ちます。

 

このミトコンドリアDNAは、母系遺伝、つまり母親から子どもへ遺伝することが知られています。そのため、ミトコンドリアDNAを辿ると母系を辿ることができ、人類は約16万年前にアフリカの1人の女性に行き着くそうです。この祖先の女性はミトコンドリアイブと呼ばれてます。

 

私は、上記のことは、学士編入の勉強前になんとなく知っていたのですが、なぜ母系遺伝するかは、全く知りませんでした。そのメカニズムは以下のとおりです。

※※受精卵の話になるので、こういう話題が好きでない方?はこれ以降見ないでください

 

 

 

ミトコンドリアは、全ての細胞に含まれているので、単細胞である精子卵子にも含まれてます。精子卵子が合わさって受精卵になるわけですが、精子は頭部のみ卵子の中に入り、ミトコンドリアが存在する中片部は、切断され解き放たれ、受精卵に取り込まれません。その結果、卵子由来つまり母親由来のミトコンドリアのみが受精卵に残り、子どもに伝わるというメカニズムです。

※最新の研究によると、このメカニズムが当てはまるのは一部のハムスターなどのみのようです。多くの生物では、精子、つまり父親由来のミトコンドリアも一度は受精卵に取り込まれますが、途中で、精子由来のミトコンドリアはオートファジーにより除去されるようです。

 

要するに、単純に卵子にあるミトコンドリア(とそれが増殖したもの)が、そのまま子どもに伝わるんですね。言われてみると当たり前のメカニズムのような気もしますが、私は全く想像できませんでした。

 

 

最後に本題とはずれますが、親からもらう遺伝情報って、父親由来より母親由来が多い気がします。というのもミトコンドリアDNAも母親由来ですし、核DNAにおいても父親由来のY染色体は情報量が少ないのに対し、母親由来のX染色体は情報量が多いらしいのです。

 

以上になりますが、どこから来たのかミトコンドリア?に、対する一応の回答は、母親、さらに前にはミトコンドリアイブと呼ばれるアフリカの女性、さらに前にはある種の細菌、ということでしょうか。。。